ロシアの電気通信事を行い配当利回りは驚異の9%越えの株
ロシアのテレビ通信事業、固定回線事業、モバイル通信事業を主に行っており通信事業ということもあり、比較的超高配当の割にビジネスとしては安定ている印象です。
【基本データ】
モバイル・テレシステムズ【MBT】NYSE
株価 9.3ドル
PER 8.27倍
PBR 8.35倍
EPS 1.13ドル
配当金 0.9ドル
配当利回り 9.5%
配当月 8月、11月の年2回
MBTのADR上場廃止懸念が無くなり株価は大きく上昇しており、配当利回りも低下傾向となります。
チャートを見る限り乱高下がかなりあり、長期で保有するには難し銘柄であるので多いく下げた局面で打診買いからの配当金をもらいつつ、売り時を待つという投資戦略が良さそうに感じます。
売上高推移
売上高は日本円にして約5千億円、グラフを見ると年々売り上げを増加させています。
通信モバイル事業の特徴として安定した業績に加え売上高も成長基調、加えて高い営業利益率20%~25%で推移しており少額なら新規で投資しても良いのでは、と思わせる銘柄です。
ただ、気になる点は純利益が伸びてない点、直近の2018年はギリギリ赤字を回避しているレベルの業績なのが不安要素でしょう。
事業モデルが比較的安定しているものの、超高配当銘柄という事もありそれなりのリスクも覚悟の上での保有となります。そのため購入するにしてもポートフォリオの比率0.5%~1%の範囲での保有になるでしょう。
EPS、配当金、配当性向の推移
MBTの配当利回りは平均で9%を超えますが、現地課税15%と高く税抜後の配当利回りは6.5%程になります。リスクがある銘柄である以上、税抜後利回りは非常に考慮するポイントでもある為、この15%をどう捉えるかによりますが、やはり積極投資より少額で株価軟調時にちょこちょこ仕込んでいく銘柄だと思います。
過去10年間で配当性向100%越えした年は3回あります。また、2010年と2011年には減配をしており比較的容易に減配をする銘柄という点は注意が必要ですね。
ただ、2013年以降はかなり安定した数値で推移していましたが、2018年にはEPSの大幅な低下により再び利益以上の配当を出しています。
翌年もこの業績で推移した場合は確実に減配となるでしょうし、2010年付近の配当金まで下がる事を想定しても50%減は覚悟したほうがよさそうです。
発行株式数
減配を施した2011年以降は発行株式数が増加していましたが、2017年以降は比較的積極的な自己株買いを行っており、2009年の水準まで発行株式が減少しています。
超高配当とは裏腹に株主還元に非常に積極的な点は非常評価できるでしょうが、通信事業=ディフェンシブ銘柄という考えが通用しない銘柄であることは認識しておく必要がありそうです。
キャッシュフロー推移
通信事業の特性上設備投資に莫大な投資額を当てていますが、その分他社の参入障壁が高いだけ独占的な利益を得る事が出来ます。
フリーCFもしっかりと確保できており、減配の可能性はあるにしても配当はしっかり出せる業績で推移しています。現状の数値で推移していれば無配になる心配はそうそう無いと思います。
まとめ
ロシアの大手通信事業会社だけあり、業績は比較的安定している反面、配当利回りは9%越えで自社株買いも行う株主還元に積極的であります。
注意点としては
・現地課税15%と高く税抜後配当利回りは6.5%
・無配にはならずとも50%を超える減配は覚悟する必要
・株価は乱高下を繰り返し大きな含み損を抱える可能性
上記の理由により少額保有自体は非常に魅力的な銘柄であると思いますが、集中投資は避けた方が良さそうです。
株価は堅調に推移しているため新規購入とはいきませんが、下落局面で配当利回り10%を超え始めたら購入してみたい、そんな銘柄です。
TやVZに唯一対抗できる利回りをどれだけキープできるかそれがこの銘柄ですね。