気になっている5社を選択
①コンソリデーテッド・エジソン【ED】
年間配当金 3.06ドル
配当利回り 4.2%
②サザン【SO】
年間配当金 2.56ドル
配当利回り 4.5%
③ドミニオン・エナジー 【D】
年間配当金 3.76ドル
配当利回り 4.5%
④デューク・エナジー 【DUK】
年間配当金 3.78ドル
配当利回り 4.4%
⑤パシフィック・パワー・アンド・ライト 【PPL】
年間配当金 1.66ドル
配当利回り 6%
2018年以降、各社の株価は堅調に推移していましたが、コロナショックで同等の水準へ戻った感じです。
ようやく、買いやすい株価、高配当利回り化してきました。
売上高推移
契約者数によって各社の売上規模に開きはありますが、売上高の安定さが電力事業の魅力になります。
営業利の推移
5社とも非常に安定しているのが分かります。
【D】【DUK】は営業利益が増加傾向。
【SO】は5社の中で一番不安定な推移。
【ED】【PPL】は変動が無く非常に安定している印象。
インフラ事業は業績の安定が魅力になります。成長性はあまり見込めないものの、連続増配と安定配当が電力銘柄の良いところです。
営業利益率の推移
【PPL】が35%台と非常に優秀な数値を叩き出しています。
他4社も決して低いわけではなく、20%台と高水準の営業利益率で事業展開しています。日本の電力会社の営業利益率が一桁台と考えると米国の電力会社は非常に効率の良い経営を行っていることが分かります。
純利益の推移
特殊要因や事業計画によって変動はあるものの、【ED】の安定感は抜群です。
【DUK】は最高利益を出しており、右肩上がりの業績推移となっています。
【D】【SO】は赤字は無いものの、不安定さが目立つ印象です。
【PPL】は高い営業利益率のため、高水準の利益を生み出しています。
EPSの推移
【ED】【DUK】は非常に安定しています。
【SO】【D】【PPL】は変動幅が大きく、年によっては配当金がEPS上回る事があります。
配当金の推移
5社全てが連続増配銘柄です。なので配当金は右肩上がりとなっています。
【ED】45年
【SO】18年
【D】11年
【DUK】13年
【PPL】8年
リーマンショック時でも増配している銘柄は【ED】【SO】【DUK】です。
3銘柄の中でも【ED】は抜群の安定感を見せており増配記録は45年です。
業績の安定さも群を抜いているため、電力会社の中では一番の信頼性を誇ります。
なお、コロナショックの最中でも5社共に増配を決定しています。
配当性向の推移
5社共に配当性向60%~100%の間を推移しています。高配当銘柄という事もあり、5社共に配当性向は高い水準です。
【SO】【D】は過去に300%~400%の配当性向となっている年もあるため、注意が必要です。
発行株式数の推移
5社とも自社株買いによる株主還元は行っておらず、年々発行数が増えています。
フリーCFの推移
過去10年間でプラス推移は【ED】のみです。
それでも基本的にフリーCFは各社マイナス推移です。
設備投資に莫大な金額が掛かる為、電力会社のフリーCFはマイナスであることが多いです。長期借入、社債発行等により資金調達を行うことで株主還元を維持しています。
増配率の推移
【ED】【SO】は一定の増配率をキープしている印象で安定感があります。
【D】は2019年までは非常に高い増配率でしたが、2020年は急激な増配率低下です。
各社の増配率が同等程度になってきている事を見ると今後は高増配率の還元策は厳しくなってきた感じがあります。
【DUK】【PPL】に関しては微増の増配率となっており、増配が厳しい印象があります。
【過去10年間の平均増配率】
ED | 2.54% |
SO | 3.58% |
D | 7.47% |
DUK | 2.65% |
PPL | 1.72% |
迷ったらETFという選択肢もあり
バンガード社の公益セクターETF【VPU】
保有上位10銘柄に【SO】【D】【DUK】が含まれており、このETF一本で主要電力株をまとめて保有することが可能です。
【VPUチャート】
ディフェンシブセクターでありながら、成長性があり右肩上がりのチャートになっています。
コロナショックで大きく下落となりましたが、長期目線で見ると依然上昇基調で株価上昇による恩恵を受けられそうな感じがします。
次に、分配金と増配率を見ています。
分配金は2007年から約2倍に伸びており、個別株には無い伸びしろで高増配傾向のETFと言えます。
増配率も非常に高く、過去10年間の平均増配率8.76%と個別銘柄を上回る数値です。正直、個別銘柄購入するより【VPU】で良いんじゃないかと思える程の優秀ぶりですね。
まとめ
5社比較で一番安定的な銘柄は【ED】だと思います。
配当利回りも4%台と(PPL除く)各社似たような水準ですが業績、配当性向、増配率の安定さから連続増配年数45年が裏付けられる納得の結果となっています。
また、より高配当狙いで【PPL】も意外とありかもしれません。
高い営業利益率で業績もブレが無く、株主還元も安定して行っています。
ただ、株価低迷と低増配率のため、長期保有でのリターンは4社に見劣りします。
そして、【VPU】の優秀さに驚きました。比較して改めてETFの強さが実感できる結果となりました。
【VPU】の上位保有10銘柄に【ED】が入っていないので
【ED】+【VPU】の保有が一番最強かもしれません。